小児の頭痛
(慢性反復性の頭痛について)
 頭痛は、小児科の外来においても、しばしば遭遇する症状ですが、その原因は多種多様であり,なかには緊急性を要するものもあります。今回は、急性期の頭痛ではなく、神経症状もない、慢性反復性の頭痛について説明します。
 発熱や神経症状を伴われない小児の頭痛は、片頭痛と緊張型頭痛が多くみられ、その他の原因としては、起立性調節障害、う歯(虫歯)や、副鼻腔炎(蓄膿)等があげられます。その中から、慢性反復性頭痛で小児に頻度の高い、機能性頭痛といわれる片頭痛と、緊張型頭痛について説明します。

1、片頭痛
 片頭痛は小児にも多くみられ、3〜4才頃より発症し、年齢が高くなるとともにその頻度は高くなります。片頭痛の診断基準には、1988年国際頭痛学会によるものなどがありますが、要約すると以下の様になります。

 小児の場合は、前兆は伴わないことが多く、痛みの部位も必ずしも片側性ではなく、頭全体や前頭部に多くみられる様です。悪心、嘔吐や家族歴、また睡眠による軽快などは診断の参考となります。嘔吐は日常診療の中で頻繁にみられますが、胃腸炎や周期性嘔吐症(自家中毒)の他に、嘔吐を繰り返す小児では片頭痛の存在も念頭に置くことが重要です。

2、緊張型頭痛
 緊張型頭痛は、頭痛の中で最も頻度が高く、特に日本人に多いといわれています。小児では学童期以降にその頻度が増加します。一般的には両側頭部か頭全体、時には後頭部がギューっと締め付けられる様に重苦しい痛みです。フワフワしためまいや嘔気を伴うこともあります。同じ姿勢をとり続けたり、ストレスによって悪化し、頭の筋肉が緊張(こり)して起こるといわれています。頭の筋肉と肩の筋肉は連続している為、肩こりを伴うこともあり、肩、首の筋肉のこりで悪化します。
 最近の生活環境体格の変化(家内での生活や、ゲームの普及)から小児にも増加の傾向があるので、生活全汎に配慮し、なぜ筋緊張が起こるかを理解してもらい、首、肩、背の筋肉に対する体操やストレッチが必要となります。